Rickshinmi

この世界に向けた特別な計画

今夜、彼女の目には
ひときわ強い輝きがある

あまりに眩しくて
ダンスフロアでさえ
明るく照らしてしまいそうだ

彼女はとても気品があって
とても生き生きしていて

彼女は僕のことなんて
これっぽっちも考えていない

かわいそうな小さな心
芯から歪んでいる 役を演じているだけ

なんて
陽気で
はしゃいで
退屈極まりない存在なんだろう

今夜の彼女は実に美味しい ご馳走みたいなものさ

パンに塗って
食べられるくらい

今夜の彼女は
それほど甘い


あなたがかつて愛したすべての者が、
ついに、すべて去り、
あなたがかつて望んだすべてのものが、
ついに、すべて終わったとき。

あなたの悪夢が、
意味を持たない輝きによって、
あるいは、
この世界に満ちる数多の恐ろしい形を
目も眩むほどに覆い隠す日食によって、
しばし、見えなくなったとき。

あなたが静かで、
満たされ、
そしてついに、
完全に独りになったとき。

そのとき、
新しく、より大きな闇の中で、
あなたはついに、
あなた自身の特別な計画を、
遂行しているだろう。


「人は計画を持たねばならない」
そう言ったのは、
影の中へ退いていった誰かだった。
眠っているか、
あるいは死んでいるのだと
私は思い込んでいた存在。

「想像してみろ」と彼は言った。
食べられるすべての肉を。
それを裂く歯を。
その味を確かめる舌を。
そして、
その味を求める飢えを。

「今度は、それらを取り去れ」
と彼は言った。
肉を。
歯と舌を。
味と飢えを。
あるがままのすべてを。

「それが私の計画だ。
この世界のための、
私自身の計画だ」

私はその言葉を聞いたが、
彼が、
眠っているか死んでいると
思っていたその存在が、
最も深い夢の中で、
あるいは
最も長い死の中でさえ、
私のの理想に
近づくことがあるのかどうか
興味すら持てなかった

なぜなら私は、
そうした計画や理想について、
すでに聞いたことがあったからだ。
そしてそれらが、
十分に遠くまで
届いていないことも、
知っていた。

計画と呼ぶにふさわしいものは、
舌や歯や飢えや肉を
超えていなければならない。
骨を超え、
骨の塵を超え、
やがてそれらを吹き飛ばす
風をも超えて。

そうして私は、
夜の闇よりも
はるか以前からある闇と、
昼の光には
何ひとつ依存しない、
奇妙に輝く光を
思い描き始めた。


その日は、
ほかの日と
何も変わらないように
見えるかもしれない。

またしても私たちは、
小さな脚で忍び寄る
あの不安を感じ、
またしても私たちは、
巨大で、
すり潰すような恐怖に
ずたずたにされる。

だがその日は、
それ以降の
別の日を持たない。

このような世界は、
もう続かない。

なぜなら私は、
計画を持っているからだ。
とても特別な計画を。

このような世界は、
もうない。
そのような日は、
もう来ない。


死に方は、たった四つしかない
と、
皮肉めいた声が、
かつて私に語った。

比較的突然に訪れる死があり、
比較的ゆっくりと進む死があり、
比較的苦痛の少ない死があり、
苦痛に満ちた死がある。

それらは、
さまざまに組み合わされ、
突然と徐々に、
無痛と苦痛が交差して、
結局のところ、
死に方は四通りに収束する。

ほかには、ない。

声が止んだあとも、
私は、
再び語られるのを待っていた。

数時間が過ぎ、
数日が過ぎ、
数年が過ぎても、
私は、
何か付け加えられる言葉を
待ち続けた。

だが耳に残ったのは、
かすかな反響だけだった。

ほかには、存在しない。
ほかには、存在しない。

そのときだったのだろうか。
私はこの世界のための、
特別な計画を
思い描き始めたのは。


この世界から逃げる手段など、
どこにもない。
この世界は眠りの奥にまで入り込む。
この世界は夢の素材そのものになる。

君は自分の夢の中で捕らえられる。
そこには空間も時間もない場所で永遠に拘束される。

命じられていないことは、何ひとつできない。
この夢から逃げ出す望みもない
そもそも、それは君の夢ではなかった。

君が口にする言葉でさえ、
この世界の言葉にすぎない。
君は裏切り者のように喋りつづける。
それの絶え間ない拷問の下で。


この世界に手を入れようとする者たちは、数多くいる。
壮大で 野蛮な改革を 夢見る者たち

私は、彼らが眠りの中で語るのを聞いた。
優雅な進化論のことを。
狡猾な殲滅のことを。

歪んだ家々の片隅で、
この歪み、軋む宇宙の路地や裏道で、
彼らがささやくのを、私は聞いた。
新しい設計図さえあれば、
この世界をまっすぐにできると。

だが、それらの新しい計画はすべて、
構想の段階からすでに間違っている。

なぜなら彼らは、
この世界を唯一無二のものとして見ているからだ。
数えきれないほど存在する世界の、
ただ一つにすぎないものとしては見ていない。

それらの世界の悪夢は、
ひとつの種から育った
おぞましい庭園のように、
同じかたちで連なっていくというのに。

私は、そうした夢想家たちが
眠りの中で語るのを、何度も聞いた。
そして私は、彼らを待っている。
暗く沈んだ階段の、最上段で。

彼らは私のことを何も知らない。
私の特別な計画の秘密も知らない。
だが私は、
彼らの歪み、軋む一歩一歩を、
すべて知っている。


それは、影の中で待っていた誰かの声だった。
月を見上げ、
私が角を曲がり、
狭い通りに入り、
鈍い月明かりの下で彼と並び立つのを、
その声は待っていた。

そして彼は、私に言った。
――ささやくように。

私の計画は、構想そのものが誤っている、と。
この世界のための、私の特別な計画は、
取り返しのつかない間違いだ、と。

なぜなら、彼は言った。
為すべきことは何もなく、
行くべき場所もどこにもない。
成るべきものもなく、
知るべき誰かもいないのだから、と。

「君の計画は誤りだ」
彼は、そう繰り返した。

「この世界が誤りなんだ」
私は、そう答えた。


子供たちは、いつも彼のあとをついていった。
彼が、ぴょんぴょんと跳ねながら通り過ぎるのを見ると。

おかしな歩き方。
おかしな男。
おかしな、おかしな、おかしな男。

彼は、時々、
子供たちを笑わせた。
そうさ、確かに笑わせた。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。
子供たちは、転げ回って笑った。

ある日、彼は子供たちを、
自分の知っている場所へ連れて行った。
特別な場所へ。

そして、この世界についての話をした。
この、おかしな、おかしな、おかしな世界のことを。

それは、時々、
子供たちを笑わせた。
そうさ、確かに。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。
子供たちは、転げ回って笑った。

やがて、
子供たちを笑わせる
あの、おかしな小さな男が――
時々、そうするのだが――

自分の特別な計画を、
子供たちに明かした。
とても特別で、
とてもおかしな、
彼の計画を。

子供たちなら、きっと理解すると知っていて。
そして、たぶん、
また時々、笑うだろうと知っていて。

彼は、子供たちを笑わせた。
そうさ、確かに。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。

まぶたの下で、
子供たちの目は、大きく見開かれた。
そしてまた、
彼らは、転げ回って笑った。


私が最初に「事実」を学んだのは、
ある狂人からだった。

時間と空間の淀んだ匂いが漂う、
暗く静かな部屋で。

彼は言った。
人間など存在しない、と。
それに似たものすら、何ひとつない、と。

人間という現象は、
幾重にも密に巻きついた錯覚の層が、
ただ積み重なった結果にすぎない。

それらの層はすべて、
ひとつの根源的な狂気の上に、
自ら絡みつくようにして巻き上がっている。
あらゆる種類の「人格」が存在すると
信じてしまう、その狂気の上に。

実際にあるのは、
心を持たない鏡だけだ。
それらは、
笑い、叫びながら、
行進するように練り歩く。
終わりのない夢の中を。

私は狂人に尋ねた。
その鏡の中で、
自分自身を見ているのは、
いったい何なのか、と。

淀んだ時間と空間の中を、
果てしなく行進するその像たちの中で。

彼はただ、身体を揺らし、
微笑んだだけだった。
そして、笑い、
叫んだ。

その黒く、空っぽの目の奥に、
ほんの一瞬、
私は見てしまった。
鏡に映るように

形を持たない、祈りの影を。
それは、
淀んだ無限から逃げ去ろうとしていた。
時間と空間から、
そして何よりも最悪なもの、

この世界という夢から。

笑いのための、
私の特別な計画。
そして、
悲鳴のための計画。


私たちは、ちょっとした小さな見世物を見に行った。
町外れの、その先にある、
古い小屋で上演されていたものだ。

始まりは、
すべてうまくいっているように見えた。

闇の中で、
小さな緞帳の舞台がほのかに光り、
糸につながれた人形たちが、
私たちの目の前で跳ね回っていた。

始まりは、
すべてうまくいっているように見えた。

だがやがて、
微かな転機が訪れた。
それに気づいた者もいた
私も、その一人だった。

静かに席を立ち、
見世物を去った者もいた。
私は、去ることはなかった

なぜなら私は、
事態がどこへ向かうのかを
見てしまっていたからだ。

人形たちの滑稽な仕草が、
次第に奇妙さを帯び、
か細い糸が、
小さな手足のわずかな力に合わせて、
ぴんと張りつめていくにつれて。

周囲の人々は、ぞっとし、
目を背け、
古い小屋で上演されていた
その見世物を去った。
町外れの、その先で。

だが私は、
決して起こりえないはずのものを
目撃したかった。
見えるはずのないものを、
見たかった。

それは、
破滅が完成する瞬間。

操り人形が振り向いて、
操り手を見返す、
その瞬間だ。


それは黄昏のことだった。
私は、広く、空っぽの建物の中に立ち、
灰色がかった靄の中にいた。

そのとき、
沈黙は、
反響するひとつの声によって満たされた。

「この世界にあるすべてのものは、
ひとつの本質から成っている」
と、その声は言った。

「それは、
言葉の及ばない本質だ。
始まりも終わりも持たない、
より大きなものである」

「そして、
言葉で語ることのできない、
この世界のひとつの本質とは、
ほかならぬ、
この世界に存在する
あらゆるものそのものだ」

「それは、
始まりを持ち、
やがて終わりを迎える、
より小さな部分であり、
言葉とは、
ただそれを語るためだけに
生み出されたのだ」

「この世界の、
小さく、壊れた存在たちのために」
と、その声は言った。

「この世界の、
始まりと終わりのために」
と、その声は言った。

「言葉とは、
ただそれらを語るためだけに
生み出されたのだ」

「では、
これらの言葉をすべて取り除いたとき、
何が残るのか」
と、その声は、
広く空っぽの建物の黄昏の中で、
私に問いかけた。

私は、
答えなかった。

その問いは、
何度も何度も反響したが、
私は、
その残響が消え去るまで、
沈黙したままでいた。

やがて黄昏が夜へと移ろうとする中で、
私は感じていた。
言葉の及ばない、
私の特別な計画が、
より大きな闇へと
動き出しているのを。


声を持たない者たちがいる。
決して声を発することのない者たちがいる。

それは、
この世界について彼らが知ってしまったこと、
この世界について彼らが感じてしまったことのせいだ。

傷つけられた脳を満たす思考があるから。
傷つけられた身体を満たす痛みがあるから。

それらは、
別の世界に存在している。
無数に存在する、別の世界に。

それぞれの世界は、
無限で空虚な黒さの中に、
ただひとつ、孤立して立っている。

そこには、
言葉は生み出されたことがなく、
声が語ることもできない。

損なわれた思考だけで満たされた脳があり、
損なわれた身体が、
痛みだけで満たされているとき、

その存在は、
無限で空虚な黒さに囲まれた世界の中で、
ただひとり、立ち尽くしている。

そしてその世界には、
いかなる特別な計画も、
与えられてはいない。


あなたがかつて愛したすべての者が、
ついに、すべて去り、
あなたがかつて望んだすべてのものが、
ついに、すべて終わったとき。

あなたの悪夢が、
意味を持たない輝きによって、
あるいは、
この世界に満ちる数多の恐ろしい形を
目も眩むほどに覆い隠す日食によって、
しばし、見えなくなったとき。

あなたが静かに、
満たされ、
そしてついに、
完全に独りになったとき。

そのとき、
新しく、より大きな闇の中で、
あなたはついに、
あなた自身の特別な計画を、
遂行しているだろう。